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チロシンキナーゼインヒビターSTI 571 が無効になったGIST の1 例
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JPY
Abstract
今回われわれは根治的切除不能な腹膜転移を伴うGIST に対し, チロシンキナーゼインヒビターであるSTI571 が一度は奏効したが, 薬剤の中止を契機に薬剤耐性を獲得し, STI571 にてコントロール不能となった症例を経験したので報告する。症例は45 歳, 女性。卵巣腫瘍疑いにて開腹し, 小腸原発のGIST と診断され根治手術が施行された。経過観察中, 初回手術から2 年後に腹膜転移を認め, 計3 回の再切除が施行されたが外科的に完全切除することは不可能であった。これに対してSTI571を400 mg /day で開始したところ腫瘍の縮小を認め, STI571 の効果が確認された。以後外来経過観察中8 か月間の無再発であったが, 本人の都合で服薬が中止されてから1 か月後に再発を認めた。STI571 服薬再開後一時的に腫瘍の縮小を認めたが3 か月後には再び腫瘍は増大した。そのためSTI571 の内服に加えて再び3 回の再切除が施行されたが腫瘍の縮小は得られなかった。そこで摘出標本のc -kit 遺伝子解析を行ったところ, 初回手術標本ではexon 11 に変異が見つかったが7 回目手術標本ではexon11 に加え, exon 13 にも変異が見つかった。このことから新たな遺伝子変異が起こりチロシンキナーゼインヒビターに耐性のあるGIST に変化したことが示唆された。また機序は不明であるが休薬が耐性の獲得に関与した可能性があり, 無再発であっても休薬に対しては慎重になる必要があると考えられた。
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/content/article/0385-0684/31110/1791