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前立腺癌における腫瘍マーカー —前立腺特異抗原(PSA)の臨床的意義と将来の展望—
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JPY
Abstract
前立腺特異抗原(PSA)は高い臓器特異性をもつ優れた腫瘍マーカーであり,前立腺癌の診断ならびに治療に貢献してきた。前立腺癌検診は本邦でも広く行われるようになり,限局性前立腺癌の発見の増加により癌死亡率の低下が期待されている。PSA は前立腺癌の病期診断や治療効果判定,再燃のマーカーとしての大きな役割を果たしてきた一方で,癌特異性の低さから多くの無駄な前立腺生検が行われていることも事実である。PSA の特異性を向上させるためにPSAD(PSAPZD),PSAV, age-specific PSA などのPSA 関連マーカーが提唱され,free PSA のtotal PSA に対する比である%free PSAとともに臨床の場で実際に用いられている。しかしながら,いずれも良性疾患を除外するマーカーとしては不十分であり,プロテオミクスや糖鎖解析などの分子生物学的手法を用いてPSA の多様な形態が明らかになってきた。最近,血清中のfreePSA はprecursor PSA をはじめとするいくつかのアイソフォームからなることが知られ,[−2]pPSA は前立腺癌の有用なマーカーとなり得ることが示唆されている。また,われわれは血清PSA の糖鎖構造が前立腺癌と前立腺肥大症患者では異なることを明らかにした。PSA の糖鎖構造の違いは従来の方法で簡便に検出でき,前立腺癌と良性疾患の鑑別に役立つことが期待されている。
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/content/article/0385-0684/32020/275