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JPY
Abstract
悪性脳腫瘍は一部を除いて,化学療法に抵抗性を示す疾患である。血液脳関門の存在による薬物到達性の問題,各種耐性機構の存在などがその原因とされているが,近年それらを克服し効果を高めようという工夫がなされてきた。分子生物学的手法を用いて薬剤感受性の有無の検索,さらに耐性機構の克服が徐々に進みつつあり,個々の腫瘍の特質に合わせた個別化治療(テーラーメード治療)も試みられている。退形成性乏突起膠腫における染色体1p, 19q欠失と薬剤感受性の関係は,脳腫瘍の化学療法の歴史のなかでも極めて意義深いものである。薬剤耐性面では,悪性神経膠腫に対して最も広く用いられているnitrosourea系薬剤に対する耐性機構としてO6-methylguanine-DNA methyltransferase(MGMT)の存在が知られており,MGMT が高値の腫瘍ではnitrosourea系薬剤以外を第一選択として用いたり,MGMT 活性を低下させる工夫もなされている。このような治療の個別化の試みが進む一方,多施設共同試験によるエビデンスの蓄積の動きもある。ある治療法の有効性を確認し,標準治療を作り上げていくためには,少数の第II相試験では不十分であり,大規模な第III相臨床試験が必要である。JCOG 脳腫瘍研究グループによる多施設共同試験は,国内初のJCOG 管理下の脳腫瘍に対する臨床試験であり,今後の臨床試験の方向性を示すものとして期待できる。
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