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大腸癌術後の多臓器再発に対する5-FU を用いた時間治療(PMC 療法)の有効性
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JPY
Abstract
【目的】抗癌剤を用いた時間治療(chronotherapy )は,副作用を軽減することで投与量を増加させ,抗腫瘍効果の増強を期待する治療法である。本研究の目的は,大腸癌転移巣に対する5-FU を用いた時間治療(PMC 療法)の有効性を検討することである。【方法】対象は切除不能な多臓器転移巣を有する大腸癌患者13 症例であり,原発部位は結腸7 例,直腸6 例であった。男性6 例,女性7 例,年齢の中央値は69 歳であった。転移部位は肝+肺7 例,肝+肺+リンパ節1 例,肝+肺+リンパ節+腹膜1 例,肝+肺+脾臓1 例,肝+腹膜1 例,リンパ節+副腎1 例,リンパ節+卵巣1 例であった。時間治療であるpharmacokinetic modulating chemotherapy (PMC 療法,週1 回5-FU 600mg/m2を9 時から24 時間かけて持続静注し,UFT 400mg/day 週5 日間の経口投与を併用)にleucovorin 投与を併用して外来で実施した。SD またはPD の場合には5-FU の投与量を段階的に1,500mg/m2/24h まで増量した。5-FU 投与日に血清5-FU 濃度(ng/ml )を測定し(HPLC法),その日内変動をグラフ化してAUC (薬物濃度曲線下面積:area under the curve )を求めた。治療期間は3 〜33 か月(中央値13 か月)であった。【結果】血清5-FU 濃度は全例において午前3 時にpeak 値(146 〜803ng/ml )を示した。PR は7例(53 %),SD は5 例,PD は1 例であった。副作用はgrade2 以下であった。転移臓器別の奏効(PR 以上)率は,肝11 例中7 例,肺10 例中6 例,リンパ節4 例中2 例,腹膜2 例中2 例であった。治療奏効例におけるAUC は,肝転移巣では2,413 〜6,323ng ×hr/ml, 肺転移巣では3,528 〜9,684ng ×hr/ml であり,両群間に有意差を認めた(p =0.028:Mann-Whitney 検定)。【結論】PMC 療法は5-FU を用いた時間治療であり,大腸癌転移巣に対し有効である。肺転移巣の治療には,肝転移巣よりも大きなAUC を必要とする。
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/content/article/0385-0684/32060/799