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癌免疫療法剤「レンチナン」の新たなうねり—経口レンチナンの誕生—
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JPY
Abstract
「レンチナン」は手術不能,再発胃癌において,化学療法剤との併用により生存期間の延長効果を有することが田口らにより世界で初めて立証されたが,経口摂取では効能を示さない。β-グルカン溶液の特徴として,螺旋構造を有する鎖分子同士が水素結合によりミセル構造を形成し,溶液中での粒子径が数百μm にも達する。数百μm の粒子径をもったβ-グルカンを経口摂取しても,腸管粘膜から体内に取り込まれず効果発現は期待できない。癌患者が治療に期待する臨床メリットは延命効果とQOL の改善にある。癌組織に浸潤するMφ/DC の細胞内レドックス状態が酸化型に傾斜するとTh 1/Th 2バランスがTh 2に傾斜し,免疫抑制,悪液質状態,癌細胞の悪性化が誘導される。「レンチナン」はMφ/DC の細胞内レドックス状態を還元型に傾斜させることにより,Th 1/Th 2バランスをTh 1方向に偏奇させ,腫瘍免疫応答を増強する。悪液質改善効果やTh 1傾斜,還元型Mφ/DC 誘導,TS-1剤との併用効果などレンチナンの新しい有用な機能が見いだされても,臨床現場の期待は経口摂取で有効なレンチナンの提供にあった。市販の茸エキスの溶液中の粒子系も経口での効果の期待し難い粒子系であった。ナノテクノロジー技術の応用で,「レンチナン」の螺旋構造を崩すことなく,微粒子化分散することに成功して得られたものが「ミセラピスト」である。「ミセラピスト」は経口摂取で,アレルギー,花粉症患者対象のヒト無作為2重盲検臨床試験で確かに抗原特異的IgE 産生を低下させることが確認され,Th1/Th 2バランスをTh 1に傾斜させ細胞性免疫を強め,液性免疫を減弱させることが判明した。ミセラピスト飲用で血中の全IgE, スギ花粉,家ダニ抗原特異的IgE が有意に低下した。70%を超える患者での花粉症軽減効果も客観的に確認された。癌患者のQOL 改善効果,癌化学療法剤の副作用軽減効果は臨床試験で明らかになった。
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