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分子標的治療の臨床—肺がん,Iressaについて—
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JPY
Abstract
gefitinib(Iressa, ZD 1839)は,上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼを選択的に阻害する小分子化学物質である。gefitinibは前治療のある非小細胞肺がんに対し,約10〜20%の頻度で著明な腫瘍縮小効果を示す。しかし,非小細胞肺がんの初回治療として,標準化学療法にgefitinibを追加しても生存期間の延長はみられなかった。また,gefitinib投与は前治療のある進行非小細胞肺癌に対する試験においても,プラセボと比較して有意な生存期間の延長はなかった。III期非小細胞肺癌において,化学放射線療法後の維持療法としてのgefitinib投与も,生存期間の延長は示されなかった。これらの試験で生存期間の延長が示されなかった一つの理由として,患者選択がgefitinibの感受性によらなかったということが考えられる。臨床試験から,gefitinibが奏効する患者層に明らかな偏りがみられた。奏効例は女性,非喫煙者,腺癌,日本人により多くみられた。最近,EGFR 遺伝子の変異と増幅がNSCLC のなかに認められ,それらがgefitinibの感受性を予測することが報告された。一方,gefitinib投与後再発した腫瘍の一部にEGFR 遺伝子の二次性変異(T 790M)があり,gefitinib耐性の原因として報告された。gefitinibは,grade 3/4の有害事象の頻度が少ないが,日本では,臨床導入直後より間質性肺炎の発症が報告された。今後われわれは,より選択された患者に対してgefitinib投与の臨床試験を遂行し,また感受性予測因子,耐性メカニズム,間質性肺炎の発症メカニズム・予測因子などのさらなる解明をしていかなければならない。
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/content/article/0385-0684/32120/1879