Abstract
包括医療の導入により在院日数が短縮され, 訪問看護を利用する患者も増加している。看護の継続を図るためには病院看護師と訪問看護師とのよりよい連携が望まれる。今回, 癌終末期患者の在宅療養支援において, 訪問看護師が病院看護師に望む連携, 退院時共同指導の実施状況, 在宅移行後の訪問看護ステーションの看護師と病院看護師の情報交換や支援方法の現状について五つのカテゴリー, 1.在宅移行前, 2.在宅移行直後, 3.安定期, 4.臨死期, 5.その他(病院看護師への要望)別, 12の質問項目を作成しアンケート調査を実施した。都内の459名の訪問看護師から回答を得た。癌終末期患者の病院看護師と訪問看護師の連携のあり方で明らかになったことは, 1. 訪問看護の依頼者には, 退院調整の役割を担う看護師の存在があった, 2. 訪問看護師の退院時共同指導への参加は, 所属するステーションの人的・経済性が影響していた, 3. 訪問看護師は, 病院の情報と患者・家族の思いにずれがあると感じていたが, 患者・家族の意思を確認するなどの看護行為をとおして対処していた, 4. 在宅療養中の病院医療者との連携は, 自宅での看取りを患者・家族が決めていない場合の臨死期において, 多く図られていた。