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癌の緩和ケアで使用した制吐剤によって惹起された薬原性アカシジアの3例
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JPY
Abstract
癌の緩和ケアで使用した抗ドパミン作用を有する中枢性制吐剤により,薬原性アカシジアを呈した3例を経験した。アカシジアは抗精神病薬の副作用の一つとして知られているが,その臨床症状は, 1.じっと座っていられないといった静座不能,足踏み,歩き回るという運動亢進症状, 2.下肢がむずむずするといった下肢の異常感覚,3.「いらいらする,そわそわする」という焦燥感を前景とする感覚症状, 4.睡眠障害などを呈する。癌患者では30〜40%に不安・抑うつなどの適応障害が起こるといわれており,患者の症状が薬原性アカシジアか癌終末期の精神症状かの鑑別が必要である。症状が不安焦燥感にとどまる場合,薬剤の副作用を疑わなければ癌患者によくみられる不定愁訴や,精神症状と安易に判断してしまう可能性がある。薬原性アカシジアは抗精神病薬以外に,抗ドパミン作用を有する制吐剤,SSRI 製剤や,Ca-拮抗薬などの降圧剤,H2受容体拮抗薬などでも惹起される。アカシジアの治療は原因薬物の減量,中止が原則だが,対症療法として抗コリン薬,β-遮断薬,ベンゾジアゼピン系抗不安薬などが用いられる。癌患者には身体的苦痛などを緩和するために多種の薬剤を使用する場合もあり,薬剤の副作用の発現を念頭においた対応が重要と考える。
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