No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
ヒト食道癌の培養細胞株およびヌードマウス移植癌株に対するDocetaxelの抗腫瘍効果
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
ヒト由来食道癌細胞株およびヌードマウス移植ヒト食道癌株に対するdocetaxel (DOC)の抗腫瘍活性を検討した。低分化〜高分化の異なる分化度のヒト食道癌細胞4株(T.T, TE-5, TE-9, TE-15)を用いたin vitro 細胞増殖阻害試験において,DOC はいずれの細胞株に対しても濃度に依存した増殖阻害作用を示し,72時間暴露における50%阻害濃度(IC50)は0.84〜1.68ng/ml であった。得られたIC50値の範囲は,食道癌に対する臨床推奨用量70mg/m2投与時の最高血漿中濃度2.27μg/ml の約1/2,700〜1/1,400であり,血中濃度として臨床上到達可能であると考えられた。また抗腫瘍活性をIC50値で比較すると,DOC はpaclitaxel(PTX)よりも約2倍強力であり,fluorouracil(5-FU)やcisplatin(CDDP)よりも約1,000倍強力であった。ヌードマウスに移植したヒト食道扁平上皮癌株H-190(高分化)およびH-204(中分化)を用いて,DOC のin vivo における抗腫瘍効果を検討した結果,DOC の4.5, 6.7mg/kg/日(4日ごとに3回静脈内投与)は,H-190株に対して100%近い増殖阻害率を示すとともに,腫瘍縮小効果を示した。H-204株に対しては,腫瘍縮小効果を認めなかったものの,DOC(4.5,6.7, 10mg/kg/日)は用量依存的に腫瘍増殖を遅延させた。一方,対照薬として用いたPTX は,6.7, 10mg/kg/日(4日ごとに3回静脈内投与)において,H-190株に対してDOC と同程度の腫瘍縮小効果を示したが,H-204株に対しては無効であった。以上の結果から,DOC はヒト食道癌細胞株およびヌードマウス移植ヒト食道癌株に対して抗腫瘍効果を有することが明らかとなり,食道癌治療薬としての有用性が期待された。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/33030/337