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JPY
Abstract
個別化治療の基本をなす要素は,まず 1.適切な症例の選択方法である。近年開発された分子標的薬剤は,biomarkerを指標にして症例選択が行われるが,TNM 分類や病理組織分類など従来の指標やperformance status, 臓器機能などの患者背景も重要である。次の要素は 2.治療の決定法である。抗癌剤感受性試験やDNA マイクロアレイを用いた治療効果予測モデルなどの研究は開発段階にとどまっており,実際のベッドサイドで利用できるものはいまだにない。抗癌剤の用量は体表面積によって補正され決定されているが科学的根拠に乏しく,用量設定式を設立する試みがなされている。Calvertの式は最も利用されているものであるが,本邦と欧米ではクレアチニン測定法の違いや人種差があり,不正確に引用されていた可能性がある。遺伝子薬理学は遺伝情報と薬物動態/薬力学の関係を解析する最先端のアプローチであり,有害事象の回避などにおいて臨床現場で実を結びつつある。個別化医療の実現のためには,腫瘍の性質解明と適切な治療法の開発の両面で遺伝子解析に基づいた研究を進めるとともに,TNM 分類,病理分類など既存の手段を含めたすべての情報を結集させてゆくことが必要である。
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