No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
門脈腫瘍栓を伴う進行肝細胞癌に対するLow-Dose FP 療法20例の検討
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
当科ではVp 3/4の門脈腫瘍栓を伴う進行肝細胞癌に対するlow-dose FP 療法を1999年8月〜2003年9月の期間で計20症例に対して施行した。動注用カテーテルを肝動脈内に挿入し,皮下にポートを留置した。low-dose FP 療法としてはCDDP 10mg+5-FU 250mg/dayの動注を週5日間行い,これを4週間施行し1クールとした。治療は4〜12週の休薬期間を設けながらPD になるまで繰り返し施行した。平均治療クール数は1.7±0.73回であった。治療効果はCR 0例,PR 6例(30%), NC 8例(40%), PD 6例(30%)であり,奏効率は30%であった。平均観察期間は357日で,1年生存率は48.5%であった。grade3以上の有害事象は白血球減少2例(10%), 血小板減少2例(10%), 悪心・嘔吐1例(5%), 腹痛1例(5%)であった。リザーバー埋め込みに伴う合併症としては,カテーテル逸脱2例,創部離開1例,ポート埋め込み部からの出血1例,側副血行路の発達1例,カテーテル閉塞1例であった。転帰は生存5例(25%), 死亡15例(75%)であり,死因は癌死12例(60%), 食道静脈瘤破裂2例(10%), 喀血死1例(5%)であった。生命予後の検討ではCLIP score3以下の群と4以上の群で,1年生存率は各々80, 12.5%と有意差(p=0.0032, logrank test)を認めた。CLIP scoreの因子のうち,tumor morphology(TM)が特に生命予後に関係しており,腫瘍が肝の半分以下を占める群(TM 1群)と,半分以上を占める群(TM 2群)の間において1年生存率は各々88.9, 10.9%と明らかな有意差(p=0.0003, logrank test)を認めた。CLIP scoreおよびTM は多変量解析においても有意に生命予後を反映する因子であった。low-dose FP 療法によるリザーバー動注は,門脈腫瘍栓(Vp 3/4)を伴う進行肝細胞癌に対して生命予後を改善する有用な治療法と考えられたが,CLIP score 3以上,特にTM 2群の生命予後は不良であり,QOL も含めその治療については慎重に行うべきと思われた。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/34050/729