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化学療法による遅発性悪心・嘔吐と血清サブスタンス P値の推移
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JPY
Abstract
背景:化学療法を施行する患者にとり悪心・嘔吐は最もつらい症状のうちの一つである。5-HT3受容体拮抗薬の登場により急性悪心・嘔吐はよくコントロールされるようになったが,遅発性悪心・嘔吐のコントロールは不十分である。遅発性悪心・嘔吐は5-HT3受容体拮抗薬にて十分に予防されず,急性悪心・嘔吐とは別のメカニズムが予測され,セロトニンとは異なった伝達物質の存在が考えられている。サブスタンスP(SP)はニューロキニン1(NK 1)受容体を介し,嘔吐反射に関与していると考えられている。NK 1受容体拮抗薬は5-HT3受容体拮抗薬と併用することにより5-HT3受容体拮抗薬単独よりも高い制吐作用を示し,特に遅発性悪心・嘔吐に対し有効であることが報告されている。しかしながら化学療法後の血清SP の推移については詳細な報告がない。目的:化学療法後悪心・嘔吐の病態解明のため化学療法前後の血清SP 値の推移を検討する。方法:消化器癌および乳癌に対し,化学療法を施行した患者16名,20回の化学療法前,および投与後1, 3,5日目に静脈血を採取し,血清SP 濃度を測定した。結果:化学療法後1, 3日目の血清SP 値は化学療法前と比較し有意に高値を示した。化学療法後1日目の血清SP 値は悪心・嘔吐を認めなかった群(N群)と比較して,悪心・嘔吐を認める群(V群)で血清SP 値が高値を示す傾向にあったが有意差を認めなかった。化学療法後1日目と化学療法前の血清SP 値の差はV群でN 群と比較して有意に高値を示したが,化学療法後3日目と化学療法前の血清SP 値の差は両群に差を認めなかった。結論:化学療法により血清SP 値は一過性に上昇した。grade 2以上の遅発性悪心・嘔吐を認めた症例では化学療法前と化学療法後1日目の血清SP 値の差が有意に高値を示した。血清SP 値と遅発性悪心・嘔吐の関連が示唆され,特に化学療法前と化学療法後1日目の血清SP 値の差が重要であると考えられた。
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