No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Docetaxelが奏効した心臓原発血管肉腫の1例
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
症例は61 歳,男性。初発症状は上大静脈症候群。心エコー,CT およびMRI にて右心房腫瘍が明らかとなった。胸骨正中切開・心膜縦切開下に手術を施行し,右心房の前壁に鶏卵大の腫瘍を認めた。腫瘍の浸潤は心外膜,右室壁,上大静脈に及び,摘出不能であったため直視下生検と人工血管による左腕頭静脈-右心房バイパスグラフト術を実施した。病理組織学的に血管肉腫と診断され,頭皮や顔面の血管肉腫に対する有効性が報告されていたdocetaxel による化学療法を同意を得て術後17 日目より施行した。本剤30 mg/m2 毎週1 回3 週間投与,1 週休薬を1 コースとして開始し,1 コース後より明らかな腫瘍縮小効果を認め,5 コースまで投与した。本剤による主な有害事象は,5 コース後にみられたgrade 3 の好中球減少とgrade 1〜2 の全身倦怠感であった。8 か月の休薬後本剤の投与を再開して4 コース投与後までPR を維持したが,本剤に耐性となり肝転移を認めた。その後に投与したpaclitaxel,IL-2 製剤およびCPT-11は奏効せず,docetaxelの初回投与から927日目(初診から2年7か月後)に,原発巣からの出血による心タンポナーデのため死亡した。心臓血管肉腫はまれな疾患であり確立された治療法はないが,本疾患の治療においてはdocetaxelの投与を考慮すべきである。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/34110/1849