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鼠径部難治性リンパ漏に対しリンパ管造影にて治癒した1 例
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JPY
Abstract
症例は80 歳台,女性。2002 年5 月,肛門管癌に対し腹会陰式直腸切断術,両側側方郭清・鼠径リンパ節摘出術を施行。病理組織診断は por, a2, n3, P0, H3,stage IV,cur C で両側側方リンパ節と鼠径リンパ節に多数の転移を認めた。術後肝動注(5-FU 1,250 mg/body,15 回)を施行し,肝転移巣はCR となった。2003年6月,左鼠径リンパ節腫大(2 cm 大)が出現し,CEA も上昇(79.5 ng/mL)してきた。精査の結果,他部位に再発を認めず,7 月左鼠径リンパ節摘出術を施行。術後,ドレーンより1 日約150 mL の排液を認めた。圧迫などの保存的治療を行ったが改善を認めず,術後48 日目にリンパ管造影を施行。左足背のリンパ管よりLipiodol を注入すると鼠径部に向かう3 本のリンパ管を認め,鼠径部にて多量の漏出を認めた。施行後7日でリンパ漏は消失した。施行後,下肢の浮腫が出現したが軽微であった。難治性リンパ漏に対する Lipiodol によるリンパ管造影は,漏出部位同定に有用であり治療法にもなり得る。
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/content/article/0385-0684/34120/2162