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Gemcitabine Hydrochlorideによる薬剤性肝障害の1例
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JPY
Abstract
本例は膵癌に対してgemcitabine hydrochloride(GEM)による化学療法施行中に,薬剤性肝障害により肝不全死した症例である。症例は79 歳,男性。C型慢性肝炎,2型糖尿病の既往あり。2005 年2 月の腹部超音波検査で膵腫瘍を指摘され,諸検査で膵頭部癌と診断した。慢性肝炎を有していることから膵頭十二指腸切除は過大侵襲と判断し,放射線化学療法を選択した。局所に60 Gy の体外照射を施行し,GEM を800 mg/body×2 q3w のスケジュールで併用投与した。照射終了後も800〜1,000 mg/body×2 q3wでGEM を使用した。2005 年7 月(GEM 13 回投与終了後)より食思不振・腹部膨満感が出現し,T-Bil 値の上昇(4.0 mg/dL)を認めたため投与を中止した。中止後もビリルビン値の上昇,肝機能異常は進行した。腹部CT で肝転移の所見はなく,また閉塞性黄疸も認められなかった。GEMによる肝細胞壊死と考えられ,prednisolone(50 mg/day)の全身投与を施行したが肝障害は増悪し,腹水貯留・意識レベルの低下が進行し死に至った。剖検を行ったところ広範囲な肝壊死があり,慢性肝炎に併発した薬剤性肝細胞障害と考えられた。肝障害例では,GEM は特異体質性で用量依存性と考えられるメカニズムにより,重篤で致死的な肝障害を発生させる可能性があるとされる。慢性肝障害患者に対してGEMを使用する場合は,さらなる慎重投与が必要と考えられた。
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/content/article/0385-0684/35010/157