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JPY
Abstract
ゲノム科学の進歩は,医学の領域にも大きなインパクトを与えた。薬剤の代謝,分解,作用標的などの遺伝子多型が個々の薬剤応答(効果や有害事象)に大きく影響することが明らかとなり,ここにそれらのゲノム情報をマーカーとして症例個々で至適薬物療法を選択するオーダーメードがん化学療法の戦略が生まれてきた。ゲノミック・マーカーの同定研究は急速に進展し,多くの有力なマーカー(候補)が示されてきた。すでにその一部は臨床実践に取り入れられ,分子標的薬を含むレジメにおいてはバイオマーカーないしはゲノム薬理学的解析は必須のものとなりつつある。しかしながら,薬剤応答は複雑系であり,その正確な予測には限界がある。薬剤の代謝や効果の発現には実に多くの因子が関与しており,責任因子(群)も一定ではない。マイクロアレイを用いて包括的指標(遺伝子発現プロフィール)を求める試みにも限界がある。いかにして複数の重要因子を同定しその相互作用を理解して有害事象や効果を予測していくか,ゲノミック・マーカー研究の複雑系に対する挑戦が始まっている。ゲノミック・マーカー研究の現況とがん薬物療法への貢献,その直面する課題について概説した。
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/content/article/0385-0684/35020/194