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JPY
Abstract
第13 回Oncology Forum では日本の抗癌剤開発の方向性について討議がなされた。1990 年頃の抗癌剤開発はtotal cell kill のコンセプトであったが,いまや分子標的薬の開発が主流である。その分子標的薬や抗体薬は残念ながらほとんどが外国製品であり,日本のトランスレーショナルリサーチは現状として貧弱である。今後の抗癌剤開発の方向性として国際共同開発が必須と考えられるが,国際共同試験の実施においては様々な障害がある。これらを乗り越えていくため企業,医療機関,規制当局は協力して努力していく必要がある。日本における各癌領域での今後の抗癌剤開発を考えたとき,胃癌ではS-1の登場により大きく進歩しつつあり,今後は分子標的薬を含む多剤併用療法の開発が期待される。大腸癌では近年のエビデンスの蓄積により大きな進歩を遂げている。海外で進んでいる多剤化学療法に抗体薬を組み入れる治療が現在日本で導入されつつある。今後は本邦創薬された化合物を含め治療係数の優れた併用療法の臨床開発が期待される。乳癌では従来ホルモン治療を第1 に考え化学療法と組み合わされてきたが,近年抗体薬の登場によりHER2 感受性が治療のアルゴリズムに大きな変化を与えている。今後の分子標的薬開発やcDNA アレイなどの個性診断により治療の個別化が進んでくるものと考えられる。一方ではアジュバント治療などにおける小さな差異を証明するため試験は大規模化しており国際試験が必須といえる状況である。泌尿器科癌では,腎癌に対する分子標的薬の効果が証明されており,今後前立腺癌,精巣腫瘍などに対する分子標的薬の開発が望まれる。その際,分子標的薬の作用機序解明とさらには,その有効性の増強も標的とした戦略的な薬剤開発が期待される。今後の抗癌剤開発の方向性として日本が国際共同試験に参加可能な癌腫は多い。前立腺癌,腎細胞癌は可能であり,卵巣癌,膵臓癌は国際化が必須である。Phase III は国際共同試験で実施すべきであり,癌腫や薬剤の種類によってはアジア地域による共同試験も有効である。国際共同試験へ参加する場合,世界の症例組み入れスピードと同等に実施していく必要があるが,治験を含めた医療環境の差があり問題である。この問題を解決するためには,ただ欧米的環境を追いかけるだけではなく看護師やCRCなどのスタッフを充実させることが効果的に思える。Phase III で必要な日本人患者数については個々の開発戦略であるとともに,さらに企業と行政が共に検討していく必要がある。
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