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JPY
Abstract
5-fluorouracil(5-FU)をはじめとするフッ化ピリミジン系抗癌剤は生体内で代謝を受けて抗腫瘍効果を発揮する。本稿では,5-FU の効果や毒性と関連のある代謝・標的酵素の遺伝子多型について解説する。5-FU の標的酵素であるthymidylatesynthase(TS)の発現はエンハンサー領域に存在する28 bp の繰り返し配列の回数によって調節されており,2Rは3R に比べ有意にTS 活性が低く,臨床的に5-FUによる抗腫瘍効果も高い。また,この繰り返し配列内に存在する一塩基多型やLOH と5-FU による効果との関連も報告されている。さらに,3'-UTR に存在する6 bp の欠失が認められる症例では5-FU の抗腫瘍効果が高い。5-FU の分解酵素の遺伝子多型も5-FU の毒性に影響を及ぼすことが知られている。5-FU の最も主要な分解酵素であるdihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)遺伝子にはこれまで39 か所の変異ないし多型が報告されている。なかでもIVS14+1G>Aの存在する症例ではDPD 活性の低下により5-FU 投与後重篤な毒性が出現することが報告されている。葉酸プールの調節により5-FU の抗腫瘍効果に影響を与える可能性のあるものとしてmethylenetetrahydrofolate reductase(MTHFR)の遺伝子多型があげられる。C677Tの変異の存在する症例では5-FU/folinic acid の化学療法による抗腫瘍効果が高いことが報告されている。今後は前向きな臨床試験により,5-FU の抗腫瘍効果ならびに毒性を予測可能な遺伝子多型を検証することが重要である。
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