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JPY
Abstract
症例は65 歳,男性。大腸多発癌(下行結腸癌,直腸癌: Stage IIIa)で手術を施行し,術後1 年10 か月で多発肝転移を認めた。肝動注療法を開始し,CR が2 年継続中であった。肝動注開始後7 か月目に左横隔膜下に約10 cm 大の腫瘤を指摘されていた。画像上は脂肪腫疑いであるが増大傾向にあり,肝動注開始後2 年2 か月目に腫瘤切除目的で入院となった。術中所見では,左横隔膜下の腫瘤の他にも大網内に3.5 cm 大の腫瘤を認め,ともに切除した。病理組織学的所見では左横隔膜下の腫瘤は凝固壊死した脂肪組織であり,既存の脂肪組織が壊死し被包化されたものと考えられ,薬剤の血管外漏出が疑われた。大網内腫瘤も同様の所見であった。臨床上は血管外漏出を疑う所見は認めず,術後のポート造影で肝動脈の狭小化と造影剤の脾動脈・下横隔動脈への流出を認めたことより,薬剤分布の変化に伴う血管炎を来したと考えた。
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/content/article/0385-0684/35120/2141