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JPY
Abstract
造血器腫瘍は,その起源により白血病,リンパ腫,多発性骨髄腫などに分けられる。これら診断に必須の血液形態検査は,たとえば白血病のように末梢血に腫瘍細胞が出現する場合は,検体入手が容易で繰り返し観察可能であるという利点から,治療効果判定や予後予測などにも応用されてきた。つまり腫瘍に特徴的な細胞形態自体が一種のバイオマーカーといえよう。しかし,近年の分子標的療法や造血幹細胞移植といった治療法の長足の進歩により,一部の造血器腫瘍では治癒あるいは長期予後改善が望めるようになり,形態学ではとうてい検出不可能な微少残存腫瘍のモニタリングが求められるようになった。現在では,腫瘍細胞を特異的かつ高感度に検出する方法として,血球表面上の分化抗原をマーカーとしたフローサイトメトリー法や,腫瘍細胞特有のキメラ遺伝子(たとえば慢性骨髄性白血病のBCR-ABL)をマーカーとした定量的PCR 法が臨床の場に導入され,造血器腫瘍の適切な治療に役立っている。一方で,腫瘤形成が主体のリンパ腫や多発性骨髄腫では,腫瘍量を間接的に反映する血清マーカーが治療効果モニタリングに有用で,前者では可溶性IL-2 受容体の定量,後者では血清M蛋白量やフリーライトチェーンの定量などが用いられている。
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/content/article/0385-0684/36010/26