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消化器がん化学療法における末梢神経障害に対する副作用対策としての鎮痛補助薬ラダーの有用性の検討
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JPY
Abstract
1990年代以降,新規抗がん剤の開発に伴い進行再発胃がん,大腸がんなどの予後は飛躍的に改善した。新規抗がん剤においては非血液毒性,特に末梢神経障害が新たな用量規定毒性であることが明らかとなり,その対策が検討されているが減量もしくは投与間隔の延長以外に有効な対処法はいまだ明らかとなっていない。今回われわれは,プロスペクティブに緩和医療におけるWHO式除痛ラダーに準拠した鎮痛補助薬ラダーを用いて,抗がん剤に起因する末梢神経障害のコントロールを試みたので報告する。対象はpaclitaxel(PTX)またはoxaliplatin を含む化学療法を受けた症例のうちgrade 1 以上の末梢神経毒性を呈した消化器がんの18 例。ラダーの第一段階を抗うつ薬(amoxapin),第二段階を抗痙攣薬(valproic acid,clonazepam),第三段階を抗不整脈薬(mexiletine)に設定し,2 週間の経過観察期間中に無効,もしくは効果不十分と判定した場合に次ステップへ移行することとし,ラダーに基づいた投薬の有効性,副作用などについて検討した。各ステップの症状改善率はそれぞれ,第一段階61.1%(11/18),第二段階50.0%(5/10),第三段階50.0%(2/4)であり,全奏効率は77.8%であった。末梢神経毒性による化学療法の継続不能例はPTX投与の1 例に認めたのみであった。また,ラダー投薬における副作用はmexiletineによる皮疹を1 例,clonazepamによる眠気を2例に認めたが,いずれも軽度であり,投薬の続行は可能であった。消化器がん化学療法における末梢神経毒性に対する副作用対策として鎮痛補助薬ラダーは有効かつ安全な施行が可能であり,今後大規模臨床試験による確認が必要であると考えられた。
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/content/article/0385-0684/36010/83