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Epirubicin液体製剤から凍結乾燥製剤への変更による静脈炎軽減効果の検討
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JPY
Abstract
epirubicin(EPI)を含むFEC 療法が乳癌患者の術前・術後化学療法に用いられ,良好な治療成績が報告されている。EPI 製剤には,溶解状態で販売されているFarmorubicin RTU(以下,RTU)と,凍結乾燥製剤であるFarmorubicin注(以下,凍乾品)があり,RTU の使用により静脈炎が増加するとの報告がある。そこで,FEC 療法を行った乳癌患者を対象として静脈炎を含む副作用を調査し,副作用の発現頻度や重症度をRTU 群と凍乾品群で比較した。なお,RTU を投与する際には静脈炎予防としてdexamethasone(以下,DEX)4 mg を添加した。静脈炎はRTU+DEX 群で45.7%,凍乾品群では48.4%にみられ,両群間に有意差はみられなかった。しかし,ステロイド軟膏による治療を必要とする重度の静脈炎の発現頻度はRTU 群で有意に高かった(RTU 群27.4%,凍乾品群9.7%; p<0.05)。骨髄抑制や悪心・嘔吐などの静脈炎以外の副作用については両群間で有意差はみられなかった。RTU の使用により静脈炎が増加した原因として,RTU 溶解液のpHが低いことが考えられているが,今回の検討において4 mg のDEX を加えた際のRTU のpH は凍乾品と同程度に上昇していたことや静脈炎全体の発現頻度は変わらなかったことから,RTU による静脈炎の増加はpH が低いことだけが原因ではないことが示唆された。一方で,重度の静脈炎の発現頻度がRTU群で有意に高かったことより,RTU の溶解性や安定性を高めるために加えられた添加剤やpH の上昇に伴い発生したEPIの分解産物などにより,静脈炎が増悪している可能性が考えられた。これらのことから,FEC 療法を行う乳癌患者の重篤な静脈炎によるQOL の低下を予防するためには,凍乾品を使用することが望ましいと考えられた。
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