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JPY
Abstract
食道癌は比較的早期にリンパ節転移や血行性転移を起こすために,局所浸潤要因のみならず遠隔転移により手術不能となることも多い。治療成績のさらなる向上を求め,手術療法に加えて化学療法や放射線療法,放射線化学療法などの集学的治療の臨床試験が世界各地で広く行われてきたが,腺癌症例が過半数を占めるような最近の欧米の臨床試験やガイドラインの記述を,扁平上皮癌症例がほとんどのわが国にそのまま当てはめることはできない。いずれの組織型においても放射線の併用や新規薬剤の開発により,最近の治療成績は着実に向上しつつある。近い将来には分子生物学的アプローチも加えて,組織型の相違だけでなく,分子標的や遺伝子変異の相違をもターゲットとするような個別化治療により,標準治療である手術を凌駕するような治療成績が得られるようになる可能性がある。
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/content/article/0385-0684/36020/182