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mTOR 阻害剤の分子生物学的作用機序と進行性腎細胞癌に対する臨床効果
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JPY
Abstract
mTOR はmacrolide 系薬剤であるrapamycin の標的蛋白として発見され,S6K1 や4EBP1 に対するリン酸化活性をもつ。栄養的によい環境ではS6K1 や4EBP1 はリボゾームにおける転写が促進され,その結果,細胞増殖が亢進する。mTOR を含む細胞内シグナル経路はヒト腎細胞癌を含む多くの癌で活性化されていると予測される。temsirolimus(CCI779)や,everolimus(RAD001)は細胞内のTOR シグナル経路内Raptorを含むMTORC1複合体のリン酸化活性のみを阻害する効果があり,AKTを刺激する経路であるmTORC2複合体のリン酸化活性はない。元来,temsirolimusは免疫抑制剤として使用されており,生体内での副作用は少ない。ただし,そのためmTOR のリン酸化活性を40〜50%程度しか抑制しない。これらの背景もあり,ヒト腎細胞癌に対してはpoor risk の患者に投与され,7%という比較的弱い腫瘍縮小効果にとどまる。I〜II相試験ではIFN 単独投与に比べて生命予後を有意に延長する。しかし,他の血管新生因子阻害剤との併用は無効であった。今後,さらに活性の強いmTOR 阻害剤の開発や,AKT阻害剤など他の分子標的薬剤との併用による効果増強が期待される。
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