No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
欧米で死生学が盛んに話題に上るようになったのは,1970 年ごろからのことである。大きな推進力になったのはホスピス運動だ。医療の領域で死にゆく人たちをどうケアすればよいのかが,正面から問われるようになった。ホスピスケアや緩和ケアの主要な対象はがん患者だから,がん治療と死生学は深い因縁をもつ間柄である。死生学の興隆は,近代医療の限界を自覚するところから始まった。がん治療において,死を前にして苦しむ患者の「ケア」は欠かせぬ構成要素だ。しかし,現代医療は生物医学的な「治療」に圧倒的な重点をおく方向で発展してきた。患者の側の心理的な,ひいてはスピリチュアルなニーズにも気を配るような医療の在り方が求められている。現代の医療や医学教育においては,死にゆく人間にとって身体的にだけではなく,心理的にも社会的にもスピリチュアルな意味においても,よき生とは何であるかを学ぶ死生学的な視点を取り入れることが不可欠になってきている。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/36100/1597