No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
抗がん剤治療に伴う悪心・嘔吐に対するMAT を用いた評価
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
抗がん剤治療に伴う悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting; CINV)は患者にとって精神的,肉体的負担が大きな副作用の一つである。場合によっては,QOL の低下や治療中止を余儀なくされるため,適切な支持療法を行うことが重要とされている。近年,抗がん剤治療に伴う悪心・嘔吐に有効とされる5-HT3受容体拮抗薬やNK1 受容体拮抗薬の開発,ASCO,NCCN,MASCCなど海外で設定された制吐療法ガイドラインにより,CINV は適切な悪心・嘔吐対策を行うことにより軽減可能となってきた。先に記したガイドラインでは,主に薬剤による悪心・嘔吐リスク分類と発現時期分類に応じて使用薬剤と投与量が推奨されている。これらのガイドラインを有効に利用し,適切な悪心・嘔吐対策を行うためには患者の正確な悪心・嘔吐情報,特に急性あるいは遅延性の情報を得る必要がある。2004年にMASCCは,急性および遅延性の悪心・嘔吐を簡便に評価するツールとしてMASCC Antiemesis Tool(MAT)を開発した。しかし,海外ではその有用性は検討されているものの,日本ではMATを使用した報告がほとんどない。そこで,その有用性をプロスペクティブに検討した。評価対象はFEC 療法にて外来治療を行った乳がん患者15 名(29〜73 歳,年齢中央値58 歳)28 シートとした。その結果,MAT により簡便に悪心・嘔吐予防策が不十分な患者を見いだすことができた。また,悪心スケールの経時的変化から,対策が不十分な悪心・嘔吐が急性か,遅延性かを同時に判断することができ,より発現時期に応じた対策が可能となった。11段階にスケール化する質問項目については,患者に不慣れであったが,丁寧に説明することで理解を得ることができた。以上のことから,MATの使用は支持療法評価に有用であること,ひいては治療完遂に寄与できることが示唆された。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/36100/1691