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大腸癌肝転移 H3(Grade C)初回切除不能多発症例に対する術前補助化学療法後肝切除術の成績
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JPY
Abstract
はじめに:初回切除不能大腸癌肝転移に対する化学療法後の肝切除術の成績はこれまで多数報告されているが,肝切除可能か不能かの判断は施設によってかなり異なるものと推察される。しかし,「大腸癌取扱い規約」(第7 版)での肝転移 H3が初回切除不能であることは異論のないものと考えられる。今回われわれは肝転移 H3(Grade C)の初回切除不能症例に対して術前化学療法後肝切除術の成績を,両葉多発性肝転移初回切除症例(両葉分布であり腫瘍数3 個以上)と比較検討した。対象と方法: 1994〜2007 年までに当院消化器外科において同時性初回切除不能大腸癌肝転移があり,初発大腸癌切除された11 症例を対象とした。術前化学療法はJ-IFL 3 例,mFOLFOX6 施行が8 例であった。対照群は大腸癌肝転移診断時に切除可能(両葉分布であり腫瘍数3 個以上)であった16 症例とした。結果:初回切除不能大腸癌肝転移11 症例の化学療法前全例 H3/Grade C であった。化学療法施行回数中央値6 サイクル(4〜10サイクル,mean±SD: 6±2 サイクル)であった。抗腫瘍効果は全例partial response でありH1 2 例,H2 9 例となり,down grade は11 例中6 例に認めた。切除可能16 症例はH1 6 例,H2 8 例,H3 2 例であり,Grade A 4 例,B 6 例,C 6 例であった。2群間での比較検討では出血量,輸血有無,肝切除術式には差を認めず。術後合併症は初回切除群が有意に多かった。腫瘍径,腫瘍数,切除断端癌浸潤有無は差を認めず。術後2 年以内早期再発,無再発および累積生存率においても両群で差を認めなかった。まとめ:初回切除不能大腸癌肝転移に対して術前化学療法後切除可能となった症例の生存率は,診断時に切除可能であった症例の切除成績と同等であった。今後は,初回切除不能大腸癌肝転移症例の予後向上のためには,術前化学療法とともに術後も残肝再発予防として全身化学療法を繰り返し行わなければならないと考えられた。
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/content/article/0385-0684/36130/2579