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肺癌術後多発肺転移に対しS-1投与で完全寛解を認めた1 例
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JPY
Abstract
症例は70 歳,男性。2004 年に右肺上葉に異常陰影を認め胸腔鏡下で部分切除し,迅速病理診断でpoorly differentiated squamous cell carcinomaであったことから,右上葉切除,2 群リンパ節郭清を行った。最終的な病理診断はpT1N0M0,stage㈵A,2.5×1.7 cmであった。その後3 か月おきに外来で経過観察を行っていたところ,2007 年4 月に右下葉に結節影を認めた。患者自身の判断で他院にて48 Gy の放射線療法を施行し,その結果結節影は消失した。しかし2008 年3 月に両側肺野,縦隔リンパ節の多発転移をCT で認めた。6〜7月にdocetaxel 60 mg/m2(90 mg/body),cisplatin 80 mg/m2(120mg/body)の化学療法を1 コースずつ施行した。8 月のCT による効果判定では,stable disease であった。adverse reaction grade 3 の白血球減少,悪心,倦怠感を認めたため9 月,80%に量を減らして,docetaxel 70 mg/ body,cisplatin 100 mg/bodyで化学療法を施行,骨髄抑制をgrade 4 まで認め治療方針を変更し,S-1 60 mg,朝・夕内服を11 月より開始した。骨髄抑制があったことから3 週間投与2 週間休薬のregimen を2 コース実施した。12 月末の胸部CT でcomplete response(CR)を得られた。副作用として投与終了後10 日目にWBC 3.0×10 3/μL(neutrocyte 48.8%),Hb 7.1 g/dLと骨髄抑制を認めた。その後,tegafur/uracil 600 mg,朝・夕分服で補助療法を行い,CRを得て100 日間無増悪期間を経ている。
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/content/article/0385-0684/36130/2611