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JPY
Abstract
子宮頸がんは全世界で毎年約50 万人が罹患しその半数以上が死亡し,女性のがんによる死亡原因の第2 位に位置する。先進国での子宮頸がん発生率は検診の普及により減少傾向にあるが,国内では初交年齢の若年化に伴い20 代,30 代での急激な増加を認めている。子宮頸がんの90%以上は,16,18 型をはじめとする高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるとされる。HPVは性行為などで生じた粘膜の傷を介して扁平上皮層の基底細胞に感染し,ウイルスDNAは感染基底細胞の核内エピゾームとして維持される。感染細胞が最終分化を開始すると,E6 によるp53 の分解とE7 によるRbの不活化を介して,細胞のDNA 合成能を再活性化することによりHPV ゲノムの複製が始まる。ウイルス粒子の増殖により宿主細胞は死滅するが,まれにHPV ゲノムが宿主染色体へ組み込まれると,E6,E7の恒常的な過剰発現により,E6,E7がん蛋白の諸機能を介してがん化に必要な多くのステップをクリアし,悪性形質を獲得すると考えられる。がん化にはE6,E7 の発現のみでは不十分であることも知られており,さらにがん遺伝子・がん抑制遺伝子異常の蓄積が必要である。本稿では,高リスク型HPVによる子宮頸がんの発がん分子機構に関する現在の知見について概説する。
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