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JPY
Abstract
間質性肺炎とは200 種以上の疾患の総称であり,原因不明のものは特発性間質性肺炎(IIP: idiopathic interstitial pneumonia)と呼ばれている。特発性肺線維症(IPF: idiopathic pulmonary fibrosis)は,IIPの約半数を占める最も代表的な疾患であるが,極めて予後不良の疾患である。IIP,特にIPF では肺癌の合併頻度は,高頻度であることが知られている。IPF における発癌機構に関しては,IPF における極めて長期にわたり繰り返される刺激により,連続的な肺胞上皮傷害と過剰な組織のリモデリングに至る過程で,様々な遺伝子異常が重なり合って誘導されることが発癌にかかわると推察されている。われわれは血液中に循環抗原として存在する肺癌関連抗原を探求する目的で,肺癌細胞に対して反応特異性の高い多数のモノクローナル抗体を作製する過程で,間質性肺炎に比較的特異度の高い血清バイオマーカーであるKL-6 という物質を発見した。KL-6 にはMUC1 ムチンに属する分子量200 kd 以上の高分子量糖蛋白抗原である。血清中のKL-6 値は,多くの間質性肺炎において高率に異常高値を呈するが,肺癌,乳癌,膵癌では進行すると50%前後の症例が異常値を示すことに注意する必要がある。さらに,ヒトの血清中にKL-6 と反応する抗KL-6 自己抗体が存在し,その減少の程度と患者の予後が反比例することも明らかにした。また,われわれはKL-6/MUC1高発現癌細胞のKL-6/MUC1発現を抑制することにより,癌細胞の増殖を抑制することが可能であること,KL-6/MUC1抗体はKL-6/MUC1発現癌細胞のLAK細胞感受性を亢進させることも明らかにしている。間質性肺炎,特にIPF と肺癌の合併に関して概説したが,いまだ不明な点は多い。今後は,臨床像のみならず分子レベルからも解明することが重要である。
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/content/article/0385-0684/37010/6