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Tamoxifen,Toremifene治療を受けた乳癌症例に生じた子宮体癌の臨床病理学的特徴
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JPY
Abstract
目的: 近年の乳癌,子宮体癌の増加に伴い,乳癌後に子宮体癌を続発する例も増加している。乳癌と子宮体癌の一部の発生にはエストロゲンが関与し,抗エストロゲン剤であるtamoxifen(TAM)は乳癌の再発を減らす一方で子宮体癌を増加させることが知られているが,近年ではTAM 服用後に生じる子宮体癌は予後不良な高悪性度腫瘍が多いとする報告がある。そこでTAMまたはtoremifene(TOR)の使用が乳癌後に続発する子宮体癌に及ぼす臨床病理学的影響を明らかにすることを目的とした。方法: 2000 年1 月〜2008年12 月までに当科で診断された子宮体癌(異型内膜増殖症を除く)を対象とした。このうち乳癌後に続発した子宮体癌例について後方視的に検討した。成績:子宮体癌194 例中,乳癌後に診断されたのは18 例(9.3%)であった。年齢は53〜80(平均66)歳で,乳癌から子宮体癌診断までの期間は1.5〜32(中央値10)年であった。高悪性度腫瘍(漿液性腺癌,明細胞癌,癌肉腫,小細胞癌)を生じたのは9 例で,残りの9 例は類内膜腫瘍を生じた。高悪性度腫瘍では類内膜腫瘍に比べ有意に子宮外病変が多く(89% vs 11%),予後も不良であった(5 年疾患特異的生存率0% vs 88%,p<0.01)。乳癌後にTAMおよび/またはTOR を服用したのは16 例中10 例(63%)で,高悪性度腫瘍はTAM/TOR 服用10 例中6 例,非服用6 例中1 例に生じた(p=0.15)。TAM/TOR 服用例と非服用例の3 年生存率はそれぞれ62,53%で有意差はみられなかった(p=0.84)。TAM のみの服用例では乳癌から子宮体癌診断までの期間は10〜16 年であったが,TOR のみの服用例では5〜6 年と短かった(p=0.02)。結論: われわれの少数例の検討では乳癌後のTAM/TOR の服用は続発した子宮体癌の悪性度,予後に明らかな影響を及ぼさなかったが,今後も多数例の長期的観察が必要である。また,TORはTAMに比べ早期に子宮体癌を引き起こす可能性が示唆された。
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