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心療内科医の緩和ケア領域における役割—2 症例からの考察—
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JPY
Abstract
緩和ケアにおいては医療者は必然的に死と向き合い,患者の「生きてきた物語」を聞くことになる。しかし,患者の要求にすべて完全にこたえることが困難であるだけでなく時間的な制約もあり,主治医(緩和ケア医)へ過剰なストレスがかかってしまい,その結果,燃え尽きてしまったり,患者に対して興味,関心が失われたり,否定的な感情をもち態度にでてしまうという問題も起こり得る。このような問題に対し,今回,心療内科医が緩和ケアにかかわった代表的な2 症例について,患者の満足度および医師の負担をカルテ,退院サマリーなどの診療録を基に検討した結果,それらが改善される結果が得られたので,心療内科医には緩和ケアに貢献できる利点があると結論する。心療内科では身体疾患を身体的要因のみならず,心理・社会的要因などが円環的に作用しあって病態を形成していると考えるbiopsychosocial model に基づいた医療を実践しており,緩和ケアに通じる多くの共通点がある。心療内科医は身体疾患をもつ患者を,心と身体を分けずに治療に当たることに慣れている点や,コミュニケーションスキルのトレーニングを専門的に受けている点などから,自分が過剰なストレスを感じることなく,燃え尽きずに緩和ケアに貢献できるという利点がある。しかし,適応障害,うつ病,せん妄などの精神疾患の診断,治療のトレーニングを受けていないため,一定期間の精神科での研修などが今後の課題と思われる。
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