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JPY
Abstract
マイクロRNA は約22 塩基対からなる短鎖RNA 分子であり,標的遺伝子のメッセンジャーRNA の3'非翻訳領域中の相補的配列に結合することでその翻訳を抑制し,様々な生命現象を調節することが知られている。特にがんとのかかわりは多くの研究がなされており,マイクロRNA が多くのがん種の発がん過程で重要な役割を果たしていることが知られている。がん研究において,マイクロRNA が注目されているもう一つの理由はバイオマーカーとしての有用性である。がん患者の血中には健常人と比較して,多くの種類のマイクロRNA が含まれていることから,細胞外マイクロRNA を定量することでがんの早期発見につながることが期待されている。われわれはこれまで明らかとなっていなかった分泌型マイクロRNA の分泌機構,生理作用を解析し,分泌型マイクロRNAが別の細胞に取り込まれて,標的遺伝子の発現抑制という本来の生理機能を発揮することを示すデータを得ている。これらの検討から,分泌型マイクロRNA はがん細胞と間質細胞とのクロストークを仲介し,がん微小環境の形成に関与していることが示唆される。がん関連マイクロRNAは,がん部で発現が増加しているがんマイクロRNA(oncogenic microRNA)と,発現が減少している抗がんマイクロRNA(tumor suppressor microRNA)の2 種類に大別することができる。前者を治療標的とする場合はantagomirs と呼ばれるマイクロRNA の働きを阻害する短鎖RNA を,後者の場合はmicroRNA mimetics というマイクロRNAと同じ働きをするRNAを投与することで,がん治療をめざすのがマイクロRNA創薬の基本コンセプトである。がんを適応症とするマイクロRNA 医薬品は現在まだ前臨床段階ではあるが,今後ヒトでも治療効果が発揮されることが期待される。
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/content/article/0385-0684/37030/389