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JPY
Abstract
肝細胞がん(肝がん)に対する現行の局所療法による根治性は高まってきているが,再発病変を制御することは困難である。そこで,がんの再発に対する抑制効果が注目されている樹状細胞免疫治療を,肝がん診療に応用する可能性を検討した。本臨床研究においては,肝動脈塞栓療法(TAE)と同時に樹状細胞を投与する手法の免疫作用と治療効果について解析した。樹状細胞はC 型肝がん患者の末梢血単球から誘導し,5×10 6個の細胞を血管カテーテルを介して肝がん組織に導入した。各種の樹状細胞調整法の検討において,ペプチドで刺激培養した樹状細胞は表現マーカーの解析において未熟なパターンであり,これに対して免疫賦活物質OK-432 を用いた刺激培養法では成熟活性化マーカーCD83 が高発現した。樹状細胞を投与した患者の経過において,副作用や有害事象などの問題を認めなかった。そして興味深いことに,無再発生存期間の解析ではOK-432 刺激樹状細胞をTAE と併用した症例において,TAE 標準治療と比較して再発率が低下することが示された。これより,OK-432によって刺激した樹状細胞は,TAEと併用することによって有効な抗腫瘍効果を発揮し肝がんの再発を抑制することが示唆された。今回の研究によって,樹状細胞治療が将来の肝がん診療における再発抑制の一つの選択肢となる可能性が示された。
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