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JPY
Abstract
癌の記述疫学的特徴,特に米国在住の日本人あるいは韓国人の癌罹患データは,胃癌,大腸癌,乳癌,前立腺癌などの発生に生活習慣要因の影響が極めて大きいことを示している。性別と年齢は発癌規定要因として重要であるが,これらの要因での癌罹患の違いも大部分は環境要因に起因すると考えられる。一親等あるいは両親いずれかの家族歴は多くの癌について2 倍程度の危険度の高まりと関連しているが,北欧の大規模双生児研究では遺伝的要因の影響は全般に小さく,前立腺癌,大腸癌および乳癌についてのみ統計学的に有意な影響がみられている。日本人では感染症に起因する癌は約20%と推定される。最近のわが国のコホート研究では,男性癌罹患の29%,女性癌罹患の3%が喫煙に起因すると推定されている。他の生活習慣要因のうち,飲酒と肥満が様々な癌の危険度を高めることが広く認められている。最近では,飲酒が大腸癌と乳癌の危険度を高めることも確実であると国際的に判断されている。食物栄養要因では,大腸癌について赤身肉,肝臓癌についてアフラトキシン,肺癌についてβカロテンが確実に危険度を高めるとされている。ほぼ確実に予防的である食事要因としては,様々な癌について野菜あるいは果物があげられている。また,カルシウムが大腸癌に対してほぼ確実に予防的であるとされている。ピロリ菌感染動物では食塩投与で胃癌発生がいっそう促進されることが観察されているが,高塩食品と胃癌の知見は十分ではないと考えられている。機能的遺伝子多型に注目した遺伝・環境交互作用の研究が食物栄養要因の発癌における役割解明に貢献できると期待される。
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/content/article/0385-0684/37040/571