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JPY
Abstract
2005年に厚生労働省診療ガイドライン支援事業により,「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン」が幕内雅敏・東京大学教授(現: 日本赤十字社医療センター)を班長とする日本肝癌研究会コアメンバーにより策定された。予防,診断およびサーベイランス,手術,化学療法,肝動脈(化学)塞栓療法,経皮的局所療法からなり,58 項目のリサーチクエスチョンがある。そして今般,これが改訂され2009年版として刊行された。初版策定に当たっては7,118編の英語原著論文(1966〜2002 年)のエビデンスレベルを評価した。アンケート調査では肝癌診療を専門とする医師の73%がこれをみており,その80%が「役に立つ」と評価し,20%の医師に「治療の変更をもたらした」という結果であった。また43%の医師が「裁量が拘束される」と答えた。医療訴訟については,「増加する」と回答した医師が「増加しない」を上回った。以上の結果から,本ガイドラインは広く認識,活用され,診療に大きな影響を与えていると判定される。2009年版では2002〜2007年の論文,2,950 編が一次選択された。大幅な改訂はなかったが,クリニカルクエスチョン,サイエンティフィックステートメントの記述がアップデートされた。2009 年版ではクリニカルクエスチョンの40%が明快なエビデンスのない推奨度C である。これら推奨度C の項目に対して医師の適切な対応が求められる。医学・医療の特性を踏まえた上で,エビデンス原理主義,ガイドライン至上主義に陥らずにガイドラインを活用しなければならない。
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