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ラット心臓由来H9c2細胞およびラット摘出灌流心臓を使用したCyclophosphamideの心毒性に関する検討
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JPY
Abstract
cyclophosphamide(CPA)は肝臓癌,乳癌および多発性骨髄腫の治療や造血幹細胞移植の前治療に用いられている。これまでにCPAの中〜大量投与の際,心筋壊死から不可逆的な心不全を来す場合があることが知られていたが,最近,造血幹細胞移植の前処置におけるCPA大量投与後に,心タンポナーデや心膜炎が発症することが報告された。われわれはCPAによる心毒性がCPA 自身によるものかどうか検討するために,ラット心臓由来H9c2 細胞を用いて,CPA と代謝産物であるアクロレイン,および心毒性があることが広く知られているdoxorubicin(DXR)の細胞毒性をMTT(3-[4,5-dimethylthiazol-2-yl]-2,5-diphenyltetrazolium bromide)アッセイにより検討した。その結果,CPAには細胞毒性が認められなかったが,アクロレインにはDXR の約1,000 倍という強力な細胞毒性が認められた。また,ラットランゲンドルフ摘出灌流心臓においてCPA は心機能に影響を与えなかったが,アクロレイン左心室収縮力および心拍数を低下させ,左心室拡張末期圧を上昇させた。本実験の結果はCPA により惹起される心毒性はアクロレインが原因である可能性を示唆している。uromitexanは膀胱と腎臓に対する保護作用を有しCPAによる出血性膀胱炎を防ぐために用いられているが,他の臓器に対しては保護作用をもたない。CPA による治療をより安全に行うためにも,CPA の心毒性を抑制する薬剤の開発が求められる。
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