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がん性疼痛治療を目的とした複方オキシコドン注射液の有効性と安全性—多施設での処方調査—
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JPY
Abstract
日本では2003年に経口オキシコドン製剤が発売され,減少するモルヒネ製剤と反対にその消費量は増加し,がん疼痛治療の中心的役割を果たしつつある。だが現時点では純粋なオキシコドン注射液が国内では発売されておらず,1920 年代から発売されている少量のヒドロコタルニンが添加された複方オキシコドン注射液(パビナール注)を皮下投与で代替使用できる。しかし,複方オキシコドン注射液のがん疼痛治療成績の有効性と安全性報告はまれであるため,われわれはその有効性と安全性について構造化調査票による後ろ向き多施設調査を施行した。3 施設から成人のがん疼痛治療目的に処方された合計60 例のデータを集計できた。解析結果は以下のようであった。1.先行オピオイド副作用が本剤への切り替え後に過半数の症例で改善し,悪化例は観察されなかった, 2.本剤は皮下投与による増量調節(平均1.6 倍)が可能であり,鎮痛効果判定「効果良好で副作用忍容可」が80%を超える症例が達成できていた, 3.本剤の副作用は13.3%に観察されたが,その80%以上は軽度であり,後遺症,未回復,死亡例を認めなかった, 4.長期皮下投与(平均15.4 日,最大53 日)や在宅移行(1.7%)が可能であり蓄積毒性は観察されなかった, 5.経口オキシコドンからの切り替え比率は0.82±0.20 であり国内外の報告とほぼ一致していた。よって皮下投与を用いれば,複方剤であるが純粋なオキシコドン注とみなせると推測される。さらなる調査を要するが,複方オキシコドン注射液はがん疼痛治療において安全かつ有用な選択肢であることが本研究から推測できる。特に鎮痛効果を上げ,副作用を軽減する目的で,オピオイドの投与経路変更やオピオイド切り替えをする際には,本剤は利便性の高い選択肢の一つであると考える。
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