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S-1単剤にて長期生存を得ている上行結腸癌同時性多発肝転移の1 例
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JPY
Abstract
症例は79 歳,女性。2005 年5 月に右下腹部腫瘤,下血を主訴に当院を受診した。精査にて上行結腸癌,同時性多発肝転移と診断された。同月に右半結腸切除術,D3 リンパ節郭清を施行し,最終診断はT2,N1,M0,H2,P0,StageIVであった。術後1 か月目から5-FU+UFT を用いた肝動注pharmacokinetic modulating chemotherapy(PMC)を施行したが,4コース後の腹部造影CT 検査にて肝転移巣はPD であった。そのため,肝動注PMC に4週に一度CPT-11 の投与を加えたmodified肝動注PMCを施行したが,倦怠感,食欲不振で中止となった。そこで10 月よりS-1 内服(80 mg/day を4 週投与 2 週休薬)を開始した。4コース後の評価で腫瘍マーカーはやや減少し,肝転移巣は画像上PR となった。その後,腫瘍マーカーの上昇なく肝転移巣の増加を認めず,PET でも新たな転移巣なく現在まで長期間PR が継続している。2009 年1 月 grade 3 の白血球減少,grade 2 の下痢を認め,投与法を変更(80 mg/day を2 週投与1 週休薬)した。現在,4 年半経過したが良好なQOL を保ちながら外来で治療を継続している。S-1 は進行大腸癌の化学療法において,有効な選択肢の一つとなり得ると思われた。
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/content/article/0385-0684/37050/931