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JPY
Abstract
エピジェネティック修飾はDNA メチル化,ヒストン修飾などからなり,体細胞分裂に際して保存され,細胞の記憶装置として基本的な役割を担っている。遺伝子のプロモーター領域CpG アイランドのDNA メチル化異常は,下流の遺伝子の不活化を誘発しがん抑制遺伝子がメチル化された場合,発がんの原因となり得る。この現象が突然変異による遺伝子不活化と類似しているために,DNA メチル化異常は突然変異と類似の性質をもつと考えられた時期もあった。しかし,最近になり,特定のがん細胞のなかには非常に多くのDNAメチル化異常が蓄積していること,非がん部(すなわち,多クローン性の組織)でも特定遺伝子のDNAメチル化異常が多くの細胞に存在し得ること,DNAメチル化異常は組織や誘発要因に応じて特定の標的遺伝子に誘発されること,慢性炎症がその誘発に重要な役割を果たすことなどがわかってきた。これらのことは,ある組織で疾患発症に重要な遺伝子のエピジェネティック異常が多くの細胞に誘発され,その組織の機能異常を誘発することもあり得ることを示唆している。実際,行動様式,記憶,精神疾患,神経変性疾患,代謝疾患,アレルギー,自己免疫疾患など,多くの後天的疾患でも,エピジェネティック異常が存在することは報告されている。今後はこれらの疾患発症における意義を明らかにし,疾患予防・診断・治療に活用していくことが望まれる。
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