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JPY
Abstract
がんは基底膜を破壊して間葉系組織内に浸潤し,さらにリンパ管,血管に侵入して遠隔転移を果たす。細胞外マトリックス(ECM)は細胞挙動を制御する細胞外微小環境であり,その破壊と変容はがんの浸潤・転移能に大きく影響する。ECM構成分子を基質とするマトリックスメタロプロテアーゼ群のうちMMP-2,9 は基底膜成分であるIV型コラーゲン分解活性を有し,さらに細胞膜に存在するMMP-14/MT1-MMP がMMP-2 を活性化することから,これらのMMPs が腫瘍浸潤において中心的な役割を担う酵素と考えられている。MMPsは生理活性分子,シグナル分子をも基質とし,これらの活性化を通じて腫瘍の血管新生やアポトーシスを制御している。ECM の蛋白質のみならず糖鎖も腫瘍浸潤に関与する。ヒアルロン酸はその分子量によって浸潤の促進の抑制効果をもつこと,ヘパラナーゼによるヘパラン硫酸の分解ががんの浸潤転移を促進することが現在明らかとなっている。このようにがん組織周囲のECM は腫瘍浸潤に大きな影響を与える微小環境といえる。
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/content/article/0385-0684/37110/2058