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多剤耐性となった進行再発乳癌に対してS-1単独療法が奏効した1 例
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JPY
Abstract
肝転移を来した多剤耐性手術不能乳癌症例に対し,S-1 を投与し著明な縮小を認め,良好なquality of life(QOL)が得られたので報告する。症例は53 歳,女性。2002年10 月,近医にて胸壁浸潤を伴う乳癌,頸部リンパ節転移,多発骨転移,両側胸水貯留と診断された[invasive ductal carcinoma,scirrhous type,ER(−),PgR(+),HER2(1+)]。手術不能進行乳癌に対する治療として,cyclophosphamide+epirubicin(CE)6 コースとweekly paclitaxel 3 か月を施行された結果,頸部リンパ節転移はPR,両側胸水も消失した。その後,アロマターゼ阻害剤(AI剤)が投与されたが原発巣・多発骨転移はNC となった。AI 剤+経口抗癌剤併用療法・経口抗癌剤を経て,2006 年9 月より症状緩和を中心とした治療に変更され,2007年1 月に当院へ紹介された。来院時に呼吸困難,両側胸水を認めたため,緊急入院となった。胸水を抜水後,胸膜癒着術の施行により症状が消失したため退院となり,その後,AI剤+bisphosphonateの投与を開始したが,全身倦怠感を認め,多発肝転移・腹水が出現したため12 月よりS-1(100 mg/day 4 週投与後2 週休薬)を開始した。投与開始6 か月後には多発肝転移の消失が認められ,腹水も少量となった。S-1の投与期間中,重篤な副作用は認めず,休薬・減量も行われず,亡くなる1 か月前まで外来通院のみで良好なQOL の保たれた治療が可能であった。多剤耐性となった症例に対して,S-1 投与は患者のQOL を考慮する上で非常に有用な治療法の一つとなり得ることが示唆された。
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