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代謝酵素の発現と抗癌剤感受性試験に基づいた大腸癌化学療法の検討
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JPY
Abstract
大腸癌化学療法において5-fluorouracil(5-FU)は依然として基本薬剤である。5-FU のリン酸化はorotate phosphoribosyltransferase(OPRT),thymidine phosphorylase(TP)により,また分解はdihydropyrimidine dehydrogenase(DPD)による。酵素発現と感受性試験を用いて癌化学療法の個別化を検討した。外科的切除された進行大腸癌160 例(StageII〜IV)で免疫組織染色を行い,酵素発現(OPRT,TP,DPD)を検討した。感受性試験を行いAUCIR50を算出した。UFT,S-1 におけるAUC 24hrに基づいてAUC IR50達成時期を算出した。TP やDPD 発現は予後因子の増悪や進行度に相関して予後不良で,OPRT 発現は予後因子の増悪や進行度に逆相関して予後良好であった。患者はOPRT(+)DPD(−)例が最良で,OPRT(−)DPD(+)例が最悪であった。AUC IR50は100 μg・hr/mL 未満から10,000 μg・hr/mL 以上の値を示した。AUC IR50達成時期は,UFT 内服では6 か月未満55%,6〜12か月13%,12〜24か月13%,24 か月以上19%であった。S-1内服では1 course未満31%,1〜2 course 15%,2〜6 course 23%,6 course以上31%であった。代謝酵素や予後因子の評価を用いた化学療法剤の選択で予後向上が期待できる。また,CD-DST を用いて化学療法の投与期間を予測できる可能性が示唆された。
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