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JPY
Abstract
mTOR は,多くの癌で恒常的に活性化しているPI3K/AKT シグナル伝達経路の下流に存在し,さらに下流にあるp70S6K と4E-BP1 をリン酸化することにより,細胞周期やアポトーシスなどの生存シグナルにかかわる蛋白質をコードするmRNAの翻訳を調節している。つまり,mTORが細胞増殖・翻訳を促進している。また,癌血管内皮細胞の成長や増殖にも関連している。mTOR を阻害することで,mTOR によって活性化された癌細胞の増殖や癌血管新生を阻止することにつながり,抗腫瘍効果をもたらすことが明らかとなった。近年,癌領域において,mTOR を標的にした治療薬,すなわちmTOR阻害薬の開発が進んでいる。腎細胞癌では標準治療としてファーストライン,セカンドライン治療に組み込まれている。また,膵の神経内分泌腫瘍においてもその有用性が明らかとなってきた。今後は効果や毒性を予測する臨床的に有用なバイオマーカーの発見が課題である。
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/content/article/0385-0684/38010/7