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JPY
Abstract
Helicobacter pylori(H.pylori)感染症関連疾患として,胃炎,胃・十二指腸潰瘍,胃癌,胃MALTリンパ腫,特発性血小板減少性紫斑病,鉄欠乏性貧血,蕁麻疹,逆流性食道炎,生活習慣病などが知られている。生活習慣病の誘因である動脈硬化に,ホモシステインの関与が指摘されている。ホモシステインは肝臓においてvitamin B12(VB12),葉酸の関与によりメチオニンとシステインに分解され体に有用なものに置き換わる。しかしVB12,葉酸の欠乏により代謝されずにホモシステインが増加すると活生酸素を刺激し動脈硬化を促進する。H.pylori感染に伴う胃粘膜の萎縮は壁細胞の内因子の低下を引き起こし,VB12,葉酸が欠乏し,動脈硬化を生じると考えられている。動脈硬化の予防にH.pylori除菌の意義と有用性について検討を加えた。H.pylori陽性者とH.pylori陰性者で胃液検査を施行し,胃内視鏡検査を施行した各々25 名につき胃粘膜の萎縮の状態を観察,および新しい動脈硬化の指標として血中ホモシステイン,ホモシステインの代謝に影響し胃酸,内因子により活性化されるVB12,葉酸を測定し動脈硬化を脈波伝播速度(pulse wave velocity: PWV)で測定し比較検討した。H.pylori陽性者については除菌前後でVB12,葉酸,血中ホモシステインを測定するとともに,動脈硬化の変動をPWVにて比較検討した。高齢者,H.pylori陽性者では,ホモシステインは有意に高値を示し,反対にVB12,葉酸は低値であった。PWVはガストリン,ホモシステインと相関を示し,VB12,葉酸と逆相関を示した。H.pylori陰性者は同年齢の陽性者に比較し動脈硬化は軽度であった。H.pylori陽性者は,除菌により動脈硬化は改善傾向が認められたが有意差はなかった。1) 胃酸胃粘膜萎縮と動脈硬化の程度は,相関することが推察された。2) H.pylori感染は動脈硬化の誘因の一つとなることが推察された。
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