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JPY
Abstract
腫瘍免疫学の進歩とともに,がんワクチン療法は飛躍的な発展を遂げつつある。特にここ20 年間にがん関連抗原が相次いで分子レベルで同定され,それらを標的としたがんワクチンの臨床応用が可能となった。初期・中期の臨床試験では従来では認められなかった優れた臨床効果が確認され,多くの後期ランダム化比較試験が実施されている。2010 年4 月には,自己樹状細胞を用いたがんワクチンProvenge が米国FDA より初めて承認され,この分野における画期的な第一歩といえる進展があった。一方,その他の後期ランダム化比較試験のほとんどで有意な臨床効果を立証できず,原点に立ち戻っての科学的・医学的検証が求められている。特にがん細胞や免疫系の多様性・多重性,ワクチンによる“不都合な免疫誘導”など,腫瘍免疫・がんワクチンの特性を再認識し,その知識を患者やワクチン抗原選択のための新しい基準の確立,バイオマーカー開発に反映させることが望まれる。この総説では,国内外のがんワクチン臨床開発の現状を総括した後,がんワクチン実用化のために今後克服すべき問題点について考察する。
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/content/article/0385-0684/38040/503