No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
慢性骨髄性白血病(CML)は造血幹細胞の腫瘍化でPhiladelphia染色体により生じたBCR-ABL 融合遺伝子の産生蛋白Ablチロシンキナーゼが発症の要因となる。従来,ヒドロキシウレア,ブスルファンなどによる血球コントロールが行われてきたが,Ablチロシンキナーゼ阻害薬メシル酸イマチニブ(IM)の出現により治療体系は大きく変わった。本薬の継続投与によりCML の80%に細胞遺伝学的完全寛解が得られ,CML 関連死のみを含む全生存率は90%を超えている。それでもIM耐性例,不耐容例が問題となり開発されたニロチニブは第2 世代のAbl チロシンキナーゼ阻害薬で野生型Bcr-AblにはIMの10 倍以上強力な阻害作用を発揮する。また,様々なIM抵抗性変異型Bcr-Ablにも効果を示す。国内外での第II相試験では,IM抵抗性のCML患者に細胞遺伝学的効果,さらには分子遺伝学的効果が得られ,本邦では2009 年1 月に「IM抵抗性の慢性期または移行期のCML」に適応が承認された。第2 世代チロシンキナーゼ阻害薬の選択指針としてEuropeanLeukemia Net Consensusに基づきIM治療にsuboptimal responseまたはfailure,または不耐容の場合ニロチニブの使用が考慮される。IM治療抵抗性の場合はキナーゼドメインの変異解析から,IM治療抵抗性で変異がない場合あるいは不耐容例では患者背景と薬剤毒性の面からニロチニブの選択を考慮する。2010 年12 月には「初発慢性期または移行期のCML」に対してニロチニブの適応が承認された。初発の慢性期CML 患者の予後のさらなる改善,ひいては治癒のために早期からより深い効果が得られる方向に向かうものと思われる。
Full text loading...
/content/article/0385-0684/38060/911