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JPY
Abstract
症例は55 歳,女性。脱肛に伴う肛門痛を主訴に来院。直腸診にて腹側中心にそれほど硬くはない可動性のある巨大腫瘤を触知した。下部消化管内視鏡検査にて歯上線直上に直腸を占拠する巨大腫瘍を認め,生検にて高分化型腺癌であった。この時,全貌を内視鏡画面一視野に収めることはできない大きさであったが,可動性があった。CT,MRI にて骨盤内に充満する腫瘍陰影,周囲血管の怒張像を認めた。しかし,明らかな所属リンパ節腫大は認められなかった。腫瘍全貌が視認できないほどの大きさであったため,EUS での深達度判定やESD による内視鏡的切除も困難と判断,また可動性があることから早期直腸癌の可能性が高いと考え,total biopsy として経肛門的局所切除を行うこととした。砕石位をとり,20 万倍ボスミン生食を粘膜下に局注し,電気メスや超音波凝固切開装置を用い腫瘍を引きだしながら切除を行った。長径約90 mm に及ぶ巨大腫瘍であった。病理組織検査にて高分化型腺癌,深達度m,INFα,ly0,v0,断端陰性の診断であり,全割標本で粘膜筋板を越える浸潤は認めなかった。長径約90 mm の粘膜内癌は非常にまれな病態である。多くの場合sm 浸潤を含み,病理組織診断によってはISR またはAPR になり,QOL に影響を与える治療になってしまうケースも少なくない。今回,若干の文献的考察も踏まえて報告する。
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/content/article/0385-0684/38120/1972