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根治化学放射線療法後の遺残リンパ節病変に対してS-1 が奏効したT4 食道癌の1 例
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JPY
Abstract
症例は65 歳,男性。5 cm 大の右反回神経周囲リンパ節転移を伴う胸部中部食道扁平上皮癌〔T4(106recR-右鎖骨下動脈)N2M0,Stage IV a〕に対し,2009 年7 月から導入化学療法として標準量FP 療法を2 コース施行し原発巣CR を得た。さらにDCF 療法を1 コース追加したところ,転移リンパ節のさらなる縮小を認めたものの切除不能と判断し,10 月から根治化学放射線療法: CRT(FP+60 Gy)を施行した。2010 年1 月のPET-CT にて治療効果はnon-CR であったが,ごく軽度の集積を認めるのみであった。3 月のPET-CT にて右頸部リンパ節に新病変の出現と106recR 再燃を認めた。4 月から外来投与を中心とするdocetaxel(DOC)のtriweekly 投与を継続した。12 月のPET-CT にて転移リンパ節の増大を認めたため,S-1 を用いた外来化学療法(4 週投与2 週休薬)を開始した。3 コース投与後の2011 年3 月のPET-CT にて転移リンパ節の著明な縮小を認めた。その後,4 月に死亡されるも,直前の胸部CT にて転移リンパ節の増大は認めず,局所のコントロールは良好であったと考えられる。今回,FP とDCF による導入化学療法とFP 併用による根治CRT 後の遺残転移リンパ節に対して,DOC とS-1 のsequential 投与による外来ベースの化学療法により,良好な病勢コントロールが得られた症例を経験した。一般にT4 食道癌の予後は不良であり,なかでも根治CRT 非奏効例の予後は極めて不良である。したがって,本例のような遺残例に対する追加化学療法の主たる目的は,可能なかぎりQOL を維持しつつ腫瘍進展の抑制を図ることである。DOCによりthymidylate synthase(TS)活性が抑制されることが報告されており,S-1 が奏効した理由として,DOC によるTS抑制の結果,DNA 合成阻害に基づく5-FU の抗腫瘍効果が増強された可能性が推察される。
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/content/article/0385-0684/38120/2397