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胆嚢癌同時性肝転移を切除し長期生存を得ている1 例
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JPY
Abstract
症例は67 歳,男性。兄弟二人に胆道癌があったため,検診で腹部超音波検査を実施したところ胆嚢壁の肥厚を指摘され,精査加療目的に当科を受診。腹部造影CT 検査では胆囊底部主体に壁肥厚が存在し,造影効果が認められた。Rokitansky-aschoff sinus が目立ち,慢性胆囊炎が示唆されたが胆囊頸部リンパ節が腫大しており,悪性疾患の可能性が残った。開腹胆囊摘出術を実施したところ術中所見で胆囊周囲は硬かったため,迅速組織診断を実施。腺癌の診断を得たため,肝S4a+S5 切除術とD2 リンパ節郭清を実施した。切除した肝臓には,肝床部への直接浸潤病巣とS5 に1 cm 大の結節が認められた。追加切除した胆囊管の断端は癌陰性であったため,肝外胆管切除は行わなかった。最終病理学的診断は,patGnbf,慢性炎症型,平坦浸潤型,4.5×3.2 cm,tub2,中間型,INFβ,ly1 v1 pn1 se hinf3 binf0 pv0 a0 bm0 N (+); 3/13。転移リンパ節は12c,12b2,13a がそれぞれ1 個ずつ(N2),S5 病変は胆囊病変と同一組織像であり,遠隔転移(M1)と認定された。肝床部への直接浸潤を踏まえるとpT4N2M1,Stage IVb であった。術後再発の高危険群と考え,当初より術後補助化学療法としてS-1(80 mg/body/day; day 1~14)とgemcitabine(1,000 mg/body; day 8,15)の併用療法を積極的に実施した。特に中断すべき副作用を経験することなく2 年間実施し(合計28 コース),再発兆候がないため補助療法を終了。現在術後2 年半経過してCEA/CA19-9/DUPAN-2 はいずれも正常範囲であり,画像上も転移を示唆するものはない。胆囊癌の同時性肝転移例への積極的治療の報告は少なく,限局性肝転移症例は治療効果が期待できるものとして,若干の文献的考察を加えて報告する。
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/content/article/0385-0684/38120/2433